詩織〜my song,my words〜

ブログ主、和音の心象スケッチブック。
または日々生活の中からふと湧き出た詩達の、
物置き保管庫のようなものです。

紙飛行機

あの頃の私達はまだ幼くて

永遠というものを

疑う事もなく 恐れる事もなく

ただ無邪気に信じていた


あの頃の私達はまだ素直で

二人でいることを

躊躇いもせず 考えもせずに

当たり前だと思っていた


大人になる道の途中で

戯けるように

目の前にある絆を

変わらないものだと

叫んでいたね


空に響くような 笑い声

咲かせては摘み取って

終わらない熱い季節を

隣で見つめあって

昇り立つ雲に 未来

映していた


あの頃の私達はいつの間にか

姿形を変えてしまうのを

知る事もなく 見る事もなく

季節に置き去りにした


大人になる事さえ

二人には曖昧で

分からぬままな恋を

続けていくそのレールに

走らせていた


秋が運ぶ風のにおいに

大きく息を吸いこんで

やがてくる冬を前に

隣で寄り添って

まだ知らない寒さに心

温めていた


冬を超えたなら春が

連れてくる別れを

簡単に大丈夫だと

言葉を選びもしないで

紙飛行機を飛ばした


空に響くような 笑い声

咲かせては摘み取って

やがてまたくる熱い夏を

隣で見つめあって

昇り立つ雲に 未来

映していた


この手が離れてしまう事を

どこかで二人感じても

それさえ道の途中だからと

隣にいるその肩は

ずっと側にあるのだろうと

夢見ていた


あの紙飛行機

今はどんな空を

飛んでいるのだろう

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